アメリカ合衆国マサチューセッツ州で起こった、巨額のロマンス詐欺によるマネーロンダリングの事件についての記事をご紹介します。
この記事は、マサチューセッツ州で行われた巧妙な詐欺事件について報じたものです。
犯罪者のオセイ・コフィ(Kofi Osei)はロマンス詐欺の被害者から800万ドル(約114億円)以上を盗んだとして、アメリカ合衆国地方裁判所のインディラ・タルワニ判事によって懲役54カ月と2年間の監督付き仮釈放の刑を言い渡されました。また、420万ドル以上の賠償金と没収金を支払うよう命じられました。
オセイ・コフィ(Kofi Osei)は2016年から2020年の間に少なくとも77の銀行口座を開設し、他人の名前で偽造パスポートを使用していました。そして、ロマンス詐欺被害者から詐取した収益を素早く引き出していました。被害者は高齢者が多く、犯罪者たちはオンラインの偽の出会い系プロフィールを使って被害者の信頼を築き、嘘の情報に基づいてお金を振り込ませていました。オセイ・コフィ(Kofi Osei)は共犯者たちと連携し、自分が開設した銀行口座に詐欺収益を受け取るよう指示していました。その後、現金または銀行小切手で詐欺収益を引き出し、一部を共犯者たちに送金していたのです。
このマネーロンダリングで、詐欺師は800万ドル(約114億円)以上の詐欺収益を受け取り、そのうち400万ドル(約5億7千万)以上がオセイ・コフィ(Kofi Osei)が開設・管理した口座に入金されていました。
この事件は、アメリカ合衆国司法長官のレイチェル・S・ロリンズ氏、連邦捜査局ボストン支局の特別捜査官ジョセフ・R・ボナヴォロンタ氏、アメリカ合衆国郵便検査部ボストン支局の監督官ケティ・ラルコ=ウォード氏、およびニューイングランド地域の国土安全保障調査部の特別捜査官マイケル・J・クロル氏によって発表されました。事件はロリンズ氏の証券、金融、およびサイバー詐欺ユニットの助任検事クリスティン・A・カーニー氏とクリストファー・J・マーカム氏によって起訴されました。
参考文献:
国際ロマンス詐欺は、国際的な犯罪ということもあり、詐欺師を捕まえるのが非常に難しいとされています。そのため、被害者にとっては深刻な問題となっています。
被害者の方は既に対策をされていると思いますが、以下の方法を実践することで、詐欺師を捕まえる可能性をより高めることができます。
まず、国際ロマンス詐欺の被害に遭った場合は、まず警察に報告しましょう。
詐欺を経験した情報を警察に提供することで、詐欺者を特定し、捕まえる手助けになる可能性があります。
警察は被害者をサポートし、詐欺事件の捜査に取り組んでいます。被害を最小限に抑えるためにも、早急に警察への報告を行いましょう。
詐欺師との金銭取引があった場合は、関連する銀行や送金サービスに詳細な情報を提供して報告しましょう。
彼らは詐欺に対して対策を講じることがあり、被害を最小限に抑えるための支援をしてくれることがあります。
自分の財産を守るためにも、早めに関連機関への報告を行いましょう。
詐欺師とのコミュニケーションや送金に関連するすべての情報を保管しておくことも重要です。
これらの情報は、警察や関連機関に提供する際に役立つ可能性がありますし、被害を証明するためにも重要な証拠となりますので、大切に保管してください。
国際的な詐欺の場合は、国内の捜査機関だけでなく、アメリカのFBI(米国連邦捜査局)のIC3(インターネット犯罪苦情センター)などのオンライン詐欺を報告する専門のウェブサイトを利用して報告することもできます。
このような組織は国際的な詐欺事件の対応にも力を入れており、詐欺被害者のサポートに努めています。国際ロマンス詐欺に遭遇した場合は、積極的に報告を行いましょう。
IC3は、アメリカ合衆国を拠点としているものの、日本からの申告も受け付けています。
IC3は、インターネットを介した犯罪や違法活動に関する情報を世界中から受け付け、それに対して捜査や対処を行う組織です。
IC3はアメリカ合衆国連邦捜査局(FBI)と関連しており、国際的な協力に重点を置いています。そのため、日本からの申告も真剣に受け止め、適切な対応を行うでしょう。
IC3を通じて日本からの犯罪申告を行うことで、犯罪捜査の手助けになる可能性があります。
以上、国際ロマンス詐欺師を捕まえるための対策と報告方法についてご紹介しました。
これらの対策を講じることで、国際ロマンス詐欺師を捕まえる可能性を高めることができます。被害者が協力して情報を提供することは、詐欺者を追跡し捕まえるために非常に重要です。
参考文献
本記事は、国際ロマンス詐欺師のマネーロンダリング手法と仮想通貨の追跡の難しさについてご説明します。
マネーロンダリングは犯罪者が不法に得たお金を合法的な資金として偽装する手法であり、捜査機関からお金の流れを隠蔽するために利用されます。
国際ロマンス詐欺師を含むサイバー犯罪者は一般的に次のような手法でマネーロンダリングをします。
他人の口座で偽装する
サイバー犯罪者は盗んだお金を自分の口座に直接送金するのではなく、他の個人や合法的な組織が所有する口座(マネーミュール)に送金します。これにより、お金の流れを隠蔽します。
取引を繰り返し撹乱
盗んだ資金を洗浄するために、犯罪者たちは何度も取引を行います。これにより、資金の出どころや本来の所有者を隠すことを狙っています。
合法と違法な資金を混ぜる
洗浄された資金を合法的または違法な事業に投資することで、お金の出所を追跡することが難しくなります。なぜなら、洗浄された資金が既存のビジネスや活動に混ぜられることで、元の犯罪行為から得たお金と混同されるためです。そして、これらの合法的なビジネスや活動を介してお金がさまざまな取引を経て動き、結果的に犯罪の足跡を隠蔽することができるからです。他の例としては、高価な宝石や金属の購入、カジノでのチップ売買なども行われることがあります。
仮想通貨を利用する
近年では、仮想通貨(暗号資産)を使ったマネーロンダリングが増えています。仮想通貨の匿名性を利用し、取引の追跡を困難にします。
これらの手法を駆使して、国際ロマンス詐欺師を含むサイバー犯罪者は盗んだ資金を洗浄し、自らの利益に繋げています。
マネーロンダリングは複雑なプロセスであり、犯罪者たちは巧妙に手口を工夫しています。
国際ロマンス詐欺師が仮想通貨を使って詐欺をした場合には、仮想通貨を利用すること自体がマネーロンダリングの成功に繋がっているため、追跡が非常に困難になります。
国際ロマンス詐欺師が仮想通貨を使う場合、詐欺師はウォレットアドレスの偽装も必要ありません。 なぜなら、取引の参加者の個人情報が匿名で公に開示されないためです。
仮想通貨がマネーロンダリングの成功に繋がる要因として、以下のような点が考えられます。
取引の追跡が事実上不可能
仮想通貨の取引は個人情報が隠蔽されているため、通常の銀行取引よりも追跡が困難です。これにより、資金の出どころや流れを追いにくくし、マネーロンダリングのプロセスを隠蔽することが容易になります。
世界規模の送金が容易
仮想通貨はインターネットを介して瞬時に世界中に送金することができます。国境を越えた送金が容易なため、国際的なマネーロンダリングにも利用されます。
仮想通貨の両替
マネーロンダリングの一環として、仮想通貨を他の通貨に両替することで、資金の出所を隠蔽することができます。両替はオンライン取引所などを介して行われることが多く、身元情報を開示せずに取引が可能です。
仮想通貨の取引はブロックチェーンと呼ばれる公開台帳に記録されますが、取引参加者の個人情報や身元は直接的には示されません。そのため、個人を特定するのは困難です。
ただし、完全な匿名性は保たれているわけではありません。近年、仮想通貨の取引所や関連サービスには、しばしばKYC(顧客の確認)やAML(マネーロンダリング対策)の規制が課せられており、取引参加者は身元を確認するために個人情報を提供する必要があります。
さらに、ブロックチェーン上の取引データは永久に保存されるため、専門家や法執行機関はトランザクションのパターンや特定のアドレスを追跡することで、一部の取引参加者を特定できることもあります。
したがって、仮想通貨を使った取引が完全に匿名性を保っているかどうかは状況によります。
規制や追跡技術の進化により、完全な匿名性は難しくなる可能性がありますが、一部の手法を使って身元を隠すことは依然として可能であると言えるため、新たな対策が求められています。
参考文献:
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