■ アメリカFBIのIC3を利用した国際ロマンス詐欺被害申告手順

アメリカFBIのIC3は、インターネット犯罪に対するオンラインプラットフォームです。

IC3は被害者の情報を受け付け、調査・分析し、法執行機関に提供します。オンライン詐欺や個人情報盗難などの報告を処理し、被害者に支援を提供します。

国際ロマンス詐欺に対する被害申告方法も提供されており、詐欺師の逮捕や場合によっては被害金の返還についても可能性があります。

暗号通貨の捜査は難しいですが、被害者の申告は重要と考えています。私自身も被害の申告をしましたので、その手続きの流れをご紹介します。





IC3(Internet Crime Complaint Center)とは?

アメリカFBIのIC3(Internet Crime Complaint Center)とは、インターネット犯罪苦情センターの略称で、アメリカ連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation、FBI)が運営するオンラインプラットフォームです。

IC3は、インターネット関連の犯罪に関する苦情と情報を受け付け、調査し、分析する役割を担っています。

IC3は、以下のようなインターネット犯罪に関する情報を収集・処理しています。

  1. オンライン詐欺
    詐欺、フィッシング詐欺、ランサムウェア攻撃、ビットコイン詐欺など、オンラインでの詐欺行為に関する報告を受け付けます。

  2. インターネット犯罪
    オンラインでの詐欺や不正アクティビティ、インターネット経由での個人情報の盗難に関する報告を処理します。

  3. オンライン詐欺に関する情報
    オンラインでの取引や取引プラットフォームにおける詐欺についての情報を提供し、被害者を支援します。

IC3は、アメリカ国内外からの苦情を受け付け、これらのデータを分析して、インターネット犯罪に関する傾向やパターンを特定し、法執行機関や関係機関に情報提供を行います。また、被害者に対しても支援を提供し、適切な措置を講じるのに役立つリソースを提供します。

IC3は、オンライン環境での犯罪に対処するために重要な役割を果たしており、広範なインターネットユーザーにサービスを提供しています。

国際ロマンス詐欺被害者がFBIのIC3に申告するメリットは?

国際ロマンス詐欺被害者がFBIのIC3に申告するメリットとしては以下の点が挙げられます。

  1. 法的手続きへの支援
    IC3に申告することで、詐欺事件に関連する法的手続きや捜査が進展する可能性が高まります。被害者は詐欺師に対する法的措置を追求しやすくなります。

  2. 犯罪の防止
    IC3による情報提供は、詐欺事件の傾向やパターンの特定に役立ち、将来の詐欺事件を防ぐのに寄与します。被害者の申告は犯罪予防に寄与する一環となります。

  3. 被害金の回収
    詐欺師が特定され逮捕された場合、被害者が被害金を回収する可能性が高まります。IC3の協力により、詐欺師の資産が追跡され、被害金の返還が行われることがあります。

  4. サポートとアドバイス
    IC3は被害者に対して情報提供やサポートを提供し、犯罪に巻き込まれた際のストレスを軽減します。被害者は心理的な支えやアドバイスを受けることができます。

  5. 匿名性の保護
    IC3に申告する際、個人情報を提供しない限り、匿名で申告することができます。被害者のプライバシーが保護されます。

  6. 犯罪の撲滅への貢献
    被害者の申告は、国際ロマンス詐欺などの犯罪撲滅に貢献します。情報提供を通じて、犯罪者の逮捕や阻止に協力することができます。

  7. コミュニティへの警鐘
    被害者の申告は、同様の詐欺に巻き込まれる可能性のある他の人々に警鐘を鳴らすことがあります。他の人々が慎重に行動することで、犯罪の被害を減少させることができます。

被害者がIC3に申告することは、個人的な利益だけでなく、社会全体にとっても犯罪の防止と撲滅に貢献する重要な行動と言えます。

とくに被害者として注目されるのは、3.被害金の回収でしょう。

被害金の回収は、国際ロマンス詐欺被害者にとって非常に重要な点です。IC3の協力を得ることで、詐欺師に立ち向かい、被害金を取り戻すための道が開かれます。

ただし、回収が保証されるわけではなく、具体的なケースに依存します。被害者は詳細な情報提供と法執行機関との協力を通じて最善の結果を期待できます。

IC3への被害申告方法

IC3へ国際ロマンス詐欺の被害について申告しましたので、その手順をご紹介します。IC3への申告は本人、また本人以外でも可能です。もちろん日本人の申告も可能です。

  1. http://ic3.gov をブラウザで開きます
    「File a Complaint」(苦情を申し立てる)を押します。
  1. Other Cyber Chrime を選びます
  1. 同意画面を確認し、特に問題なければ「Proceed!」を選びます
  1. 苦情申し立てについての注意書き確認し、特に問題なければ「I Accept」を選びます
  1. 被害者自身による申告かどうかを確認されます。あなたが被害者なら「Yes」を選びます
  1. 被害者(あなた)の情報を記載します
    Victim Informationにあなたの個人情報を記載します。申請後の確認メールがないため、メールアドレスを間違わないように注意してください。
    Business Information は、被害者(あなた)が企業ならYesですが、個人の場合には「No」を選びます
  1. 詐欺師との金融取引情報を記載します
    Transaction Typeは、暗号通貨であれば「Virtual Currency」を選びます
    Was the money sent? は、あなたがすでに詐欺師に送金済みであれば、「Yes」を選びます
    Transaction Amountは、送金金額を入力します
    Transaction Dateは、送金日です その他、Victim Bank Nameには、自分の取引所名(送金元)、Victim Name on Accountは、口座名義人(これは自分の名前)、Victim Account Numberは、送金元口座の出金アドレス、Recipent Bank Nameは、詐欺師の取引所名(不明なら Unknown)、Victim Name on Accountは、詐欺師の口座名(不明なら Unknown)、Recipent Account Numberは、送金先である詐欺師の入金口座のアドレスをセットします
複数の送金をしていれば、「Add Another Transaction」を選択し、別の取引内容を記載します。
  1. あなたの被害の概要
    被害の概要を記載します。例えば詐欺師との出会いからお金が帰ってこなくなるまでの一連の経緯を記載します。
  1. 詐欺師の情報
    加害者(犯罪行為を行った人物)に関する情報を提供するためのページです。詐欺師の情報を分かる範囲で記載してください。
  1. その他の情報
    1)この事件で電子メールが使用された場合は、完全な電子メールヘッダーを含む電子メール全体のコピーを提供してください。
    2)この事件の他の目撃者や犠牲者はいますか?
    3)この事件を他の法執行機関または政府機関に報告した場合は、名前、電話番号、電子メール、報告日、報告番号などを提供してください
  1. あなたの署名
    最後にあなたの名前を書いて「Submit Complaint」を押せば申請完了です
  1. 申請用紙の保存
    申請後、確認メールは届かないので、この画面で「Print Report」として、PDFなどに保存しておきましょう。

以上、IC3への被害申告方法をご説明しました。

これにより、将来的にはもしかすると詐欺師が逮捕され被害金の返還などもあるかもしれません。

ただ、そもそも暗号通貨(仮想通貨)の捜査は困難を極めるため、中々期待はできないと私自身も思いつつ、この被害申告によりできるだけのことはしたと考えています。

一日でも早く、世界の捜査機関の盲点をつく国際ロマンス詐欺がなくなる日が来ることを願っています。

参考資料:



😱シンガポールの彼女: 国際ロマンス詐欺 被害者の告白💔 👈 実際に被害に遭ってお金を失った人はこうなります

作成 2023-10-01


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