イギリスのアバーテイ大学の研究者であるリンゼイ・シェパード博士と彼女の同僚は、オンラインロマンス詐欺についての既存の232本の研究論文をレビューし、オンラインロマンス詐欺の共通の特徴や傾向を明らかにしようとしています。
このレビューの重要なポイントを4つご紹介します。
COVID-19パンデミックの影響もあり、サイバー犯罪と詐欺行為が増加しています。
オンラインロマンス詐欺は世界中の人々に影響を及ぼす非常に問題のある犯罪であり、被害者はお金を失ったり、借金を抱えたり、脅迫や個人情報を盗まれる被害に遭うことがあります。
詐欺師は被害者に対して異なるアプローチを取ることもありますが、感情的な言葉を使って被害者との関係を築く方法が一般的です。
この手法では、詐欺師は自らを悲惨な状況に置かれたり、困難な状況にあると装って、被害者に同情心を抱かせます。
例えば、「家族が病気でお金が必要だ」「危険な状況にいて助けが必要だ」といった表現を使います。
また、詐欺師が自らを軍隊のメンバーと偽り、軍事的なストーリーや背景を用いて被害者からお金をだまし取る手法も頻繁に見られました。
この手法では、被害者に対して感情的な共感や信頼を築き、軍事的な任務や緊急事態を装ってお金を要求したり、個人情報を共有するように求めたりします。
詐欺師は被害者にお金や個人情報を要求するのは、互いが感情的に結びついた後の最終段階で行います。
詐欺師は感情的でインパクトのある言葉を使います。例えば、「あなたがいなければ生きていく意味がない」「あなたの愛が必要だ」などと感情的な言葉を使います。
さらに、詐欺師自らを弱者や困っている存在に見せようとします。これは被害者に対して助けたいという気持ちを引き出す狙いがあります。
研究者たちはロマンス詐欺の被害を減らすためのいくつかの対策を提案しています。
例えば、出会い系サイトにおける機械学習アプローチを用いた詐欺師の検出、プロフィールが本物かどうかを判断するための調査システムの普及などです。
さらに、被害を減らすために、研究者、出会い系サイト、法執行機関が協力する必要があることも強調しています。
以上、イギリスのアバーテイ大学の研究者によるオンラインロマンス詐欺に関する既存研究のレビューについて、重要なポイントを4つご紹介しました。
参考文献:
詐欺師は「未上場コイン」にチャンスがあると言って投資家のお金をだまし取ることがあります。詐欺師が未上場コインを狙うのなぜでしょうか?
未上場コインとは、公開されていない仮想通貨のことを指します。
これは、まだ一般の仮想通貨取引所や市場に上場しておらず、一般の投資家が取引することができない状態の仮想通貨です。
未上場コインは通常、プロジェクトが開発段階にあるか、プライベートセールや投資家向けに限定的な提供が行われていることが多いです。
これらのコインはまだ市場で流通しておらず、上場される前の状態なので、価格は公開市場での需要と供給によって形成されていません。
未上場コインに投資する場合は、いくつかの注意点があります。まず、未上場のコインはリスクが高いことがあります。
プロジェクトの成功や市場での受け入れを保証するものではなく、投資家は資金を失う可能性も考慮しなければなりません。また、未上場コインは流動性が低いため、売買が難しいことがあります。
「流動性が低い」というのは、市場での取引が少ないために、売りたいときにすぐに買い手が見つからなかったり、買いたいときにすぐに売り手が見つからなかったりすることを意味します。
投資を検討する場合は、プロジェクトの詳細な情報を入手し、信頼性を評価することが重要です。
また、専門家の意見やアドバイスを仰ぎ、リスクを理解した上で判断することが大切です。未上場コインへの投資は特に慎重に行う必要があります。
詐欺師が未上場コインを狙う理由は、上記のように未上場のコインをまだ多くの人々が知らず、一般の取引所に上場しておらず、情報が限られているため、投資家に対しウソをつ’きやすいからです。
未上場コインの次のような状況を悪用して、詐欺師は投資家からお金をだまし取ること企むのです。
プロジェクトが未知であること
未上場のコインはプロジェクトが未知であり、詐欺師は自らの正体を隠すことが容易です。投資家は詐欺師を見抜くのが難しくなります。
リスクが未知であること
未上場のコインはまだ市場で取引されていないため、リスクを隠すことができます。詐欺師はリスクを誇張したり隠したりして、投資家からお金をだまし取ろうとすることがあります。
リターンが不明であること
詐欺師は未上場コインを通じて高いリターンを約束することがあります。しかし、これらのリターンは現実的ではなく、詐欺師が投資家をだますための手段です。
市場が不透明性であること
未上場のコインの詳細情報が不透明であるため、詐欺師はウソの情報を提供したり、真実を隠したりすることができます。投資家が情報を確認するのが難しくなります。
以上のような理由により、詐欺師は未上場のコインを利用して、投資家から資金をだまし取ろうとします。
未上場コインに投資を検討する場合は、専門家のアドバイスを仰ぐか、信頼性を確認するために様々な情報を入手し判断することが大切です。
国際ロマンス詐欺では、詐欺師が仮想通貨を使うことがあります。被害者は詐欺師のウォレットアドレスは聞いているので、そこから詐欺師を追跡できないか、と思いますがこれが非常に困難なのです。
被害者は詐欺師のウォレットアドレスに送金していますが、このウォレットアドレス自体が匿名性を持つため、詐欺師を特定するのが非常に困難なのです。
それでもウォレットアドレスを通じて詐欺師を捕まえるとするなら、高度な専門知識や法執行機関の協力が必要となります。
可能性はゼロだとは言い切れないので、そもそもウォレットアドレスとは何か、というところから、何ができて何ができないのか、本記事ではご紹介します。
ウォレットアドレスは、仮想通貨を保管・送受信するためのアドレスのことです。イメージとしては、現実世界で郵便物を送る際に使う宛先のようなものです。
仮想通貨を他の人に送る場合は、その相手のウォレットアドレスを入力します。また、他の人から仮想通貨を受け取る際には、自分のウォレットアドレスを提供します。
ウォレットアドレスには一意の英数字の文字列が割り当てられ、個々のユーザーが所有する仮想通貨のアドレスとして機能します。
ウォレットアドレスは、公開鍵と秘密鍵のペアで構成され、仮想通貨ごとに異なる一意の文字列で構成されます。以下はいくつかの仮想通貨のウォレットアドレスの例です。仮想通貨ごとにこのアドレスの長さや表記が違うため、下記の例でもご確認いただけますが、それぞれ仮想通貨ごとにアドレスが違うことが分かります。
Bitcoin (BTC)のウォレットアドレスの例:
1BvBMSEYstWetqTFn5Au4m4GFg7xJaNVN2
3J98t1WpEZ73CNmQviecrnyiWrnqRhWNLy
Ethereum (ETH)のウォレットアドレスの例:
0x742d35Cc6634C0532925a3b844Bc454e4438f44e
0xCfEB869F69431e42cdB54A4F4f105C19C080A601
Ripple (XRP)のウォレットアドレスの例:
rEb8TK3gBgk5auZkwc6sHnwrGVJH8DuaLh
rLHzPsX6oXkzU2qL12kHCH8G8cnZv1rBJh
Litecoin (LTC)のウォレットアドレスの例:
Lh3NMFS3PEZNZpQVkH3kVNhFtRjFBCH1DG
LZmCqh1Z4xfoXGzy56QvXieVgnZSwwH1Qe
トランザクションID(Transaction ID)は、仮想通貨の取引を一意に識別するための番号です。取引がブロックチェーンに記録される際に、その取引に固有のIDが付与されます。
トランザクションIDによって、特定の取引の詳細情報(送金額、送金元アドレス、受取先アドレスなど)や進行状況をブロックチェーン上で追跡し、他のユーザーが取引の正当性を確認できるようになります。
トランザクションIDによって、特定の仮想通貨の取引の詳細や進行状況を知ることができます。
送金額、送金元のウォレットアドレス、送金先のウォレットアドレスなどの情報が含まれています。
また、取引が完了したかどうかや、取引が正当であるかを確認することができます。
トランザクションIDだけから、直接送金元と送金先のウォレットアドレスを特定することは困難です。
トランザクションIDは取引の識別番号であり、それ単体ではウォレットアドレスを特定する情報を提供しません。
ただし、ブロックチェーンエクスプローラーと呼ばれるウェブサイトやアプリを使って、トランザクションIDを調査し、その中に含まれるウォレットアドレスや取引情報を確認することができます。
ウォレットアドレスから直接詐欺師や詐欺師の取引所を特定することは一般的には困難です。
ウォレットアドレスがそもそも匿名性を持っているため、単独で所有者の身元を特定することが難しいのです。
仮想通貨のブロックチェーンは公開されているため、情報を解析したり、ウォレットアドレスを監視することは可能ですが、詐欺師が偽名を使用したり、中間ウォレットを経由して取引を行うこともあるため、特定は非常に困難です。
ただし、ウォレットアドレスの関連情報や他の情報と組み合わせて調査することで、ある程度、所有者や取引所を推測することは可能です。
ウォレットアドレスから所有者や取引所を特定するためには、高度な調査技術やリソースが必要です。
(ここで言う「リソース」とは、人材・資金・技術・情報など、調査を行うために必要なあらゆる要素や資源のことを指します。例えば、専門知識を持つ調査員やエキスパート、調査用の予算や設備、情報収集に使うデータベースやツールなどがリソースに含まれます)
具体的な方法としては、アドレスの関連付け、クラスタリング分析、交換業者との連携、ソーシャルエンジニアリングなどの方法が用いられます。
ウォレットアドレスの関連付けとクラスタリング分析
ウォレットアドレスが同一の個人や組織によって使用されることがあるため、複数のウォレットアドレスを関連付け、特定のクラスタに属するアドレスを特定するクラスタリング分析が行われます。この手法はトランザクション履歴やパターンを分析し、特定のウォレットアドレスが一つの詐欺師によって使用されている可能性を追跡するものです。
交換業者との連携
詐欺師が仮想通貨の取引所でウォレットアドレスを使用している場合、取引所との連携によって詐欺師の身元を特定することが考えられます。取引所は利用者に対して本人確認を行っている場合が多く、詐欺師が口座を作成した際の情報を提供できる可能性があります。
ソーシャルエンジニアリング
ソーシャルエンジニアリングは、人間の心理や社会的な関係を利用して情報を収集する手法です。詐欺師のウォレットアドレスに関連する情報を、ソーシャルメディアやオンラインフォーラムなどから収集することで、詐欺師の身元や行動パターンを特定する試みが行われることがあります。
法執行機関の協力
ウォレットアドレスから詐欺師や詐欺師の取引所を特定することは、一般的には困難であり、高度な専門知識と技術、そして法執行機関の協力が必要です。
以上、ウォレットアドレスから詐欺師を追跡するのが困難であることについてご説明しました。
ウォレットアドレスから詐欺師を追跡するのが困難であるということは、つまり、国際ロマンス詐欺の犯人を捕まえるのも困難であると言えます。
そのため、国際ロマンス詐欺は予防がとても重要です。しかし、もし被害に遭ってしまったら、警察等の専門機関に相談し支援を得るようにしてください。
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