「キャットフィッシング（Catfishing）」は、日本語では「ナマズ釣り」と呼ばれていますが、ここで言うキャットフィッシングには別の意味があります。

それは、オンライン詐欺の一種で、特定の被害者を標的にし、ソーシャルネットワーキングサービス上で架空の人物や偽の人物像を作成して詐欺を行う行為を指します。

この記事では、キャットフィッシングに関する基本的な情報、その由来、国際ロマンス詐欺との関係、および防止策についてご説明します。

キャットフィッシングの由来

「キャットフィッシング」という言葉は、2010年のアメリカの「Catfish」というドキュメンタリー映画から生まれました。

この映画は、エグゼクティブプロデューサーのネフ・シュルマンが、オンラインで友情を築いたと思っていた8歳の少女は実は40歳の主婦でした。映画ではその嘘に気づいた出来事が描かれています。

このドキュメンタリーでは、実際のキャットフィッシング（詐欺）事例を例にとり、キャットフィッシングという言葉が生まれた経緯も紹介されました。

この言葉はその後、テレビシリーズによって広まり、2013年にはノートルダム大学のフットボール選手、マンティ・テオの詐欺事件により注目を浴びることとなりました。

国際ロマンス詐欺との関係は？

キャットフィッシングは、国際ロマンス詐欺と密接に関連しています。国際ロマンス詐欺は、詐欺師が恋愛を偽り詐欺を通じて被害者からお金を騙し取る手法です。

キャットフィッシングは、国際ロマンス詐欺の一形態として使用されることがあります。以下はその関係についての詳細です。

• 恋愛関係の構築
  キャットフィッシングでは、詐欺師が架空のアイデンティティを作成し、被害者との恋愛関係を築くことが一般的です。被害者はこの架空の人物像に魅了され、信じ込みます。

• 金銭の要求
  キャットフィッシングの詐欺師はしばしば被害者に金銭を要求し、さまざまな理由でお金を騙し取ります。国際ロマンス詐欺と同様、病気の治療、旅費、法的トラブルなどの嘘の事情を挙げてお金を要求します。

• 被害者の感情を操る
  キャットフィッシングは被害者の感情を操ることに長けており、国際ロマンス詐欺の詐欺師も同様の手法を用いて被害者に感情的に訴えかけます。

国際ロマンス詐欺とキャットフィッシングは、両方とも感情的なつながりを悪用し、被害者から金銭を騙し取ることを目的としています。

被害者はしばしば恋愛に夢中になり、詐欺師が虚偽のストーリーを信じ込み、お金を提供することになります。

防止策

キャットフィッシングから身を守るための防止策は重要です。以下はいくつかの方法です。

• プライバシー設定を確認する
  ソーシャルメディアやオンラインプロフィールのプライバシー設定を確認し、不審な連絡を遮断するためのセキュリティ設定を設定します。

• 情報共有に注意する
  オンラインでの新しいつながりとは注意して情報を共有し、プライベート情報を慎重に扱います。

• ビデオ通話を要求する
  オンラインで新たな関係を築く際に、ビデオ通話を要求することができます。これにより、相手が実際の人物であることを確認できます。

• 写真を逆検索する
  オンラインで提供された写真を逆検索し、その写真が他のウェブサイトやソーシャルメディアプロフィールで使用されていないか確認します。

• 警戒心を持つ
  急にお金を要求する相手や急速に親密さを求める相手には警戒し、詐欺の兆候に気づくことが大切です。

• 信頼できるウェブサイトを利用
  出会い系ウェブサイトやオンラインプラットフォームを使用する場合、信頼性の高いサイトを選び、安全のガイドラインを守ります。

まとめ

キャットフィッシングはオンライン詐欺活動の一形態で、被害者に架空のアイデンティティを作成したり、詐欺的な行為を行ったりする行為です。

この現象の由来は、2010年のドキュメンタリー映画「Catfish」に起因しており、国際ロマンス詐欺と密接に関連しています。

被害者は感情的に操られ、しばしば金銭を騙し取られます。キャットフィッシングから身を守るためには、プライバシー設定の確認、情報共有に注意、ビデオ通話の要求、写真逆検索、警戒心、信頼できるウェブサイトの利用が重要です。

オンラインで新しい関係を築く際には、信頼性を確認し、個人情報を保護することが不可欠です。