国際ロマンス詐欺師は、どのようにしてターゲットを見つけるのでしょうか?
詐欺師がターゲットにしているのは、何らかの「悩みを抱える人々」です。詐欺師がこのような人々を狙うのは、詐欺の成功率を高めるための一つの方法です。
人間は悩みを抱え苦しんでいる時には、心理的なサポートや温かな人間関係を求める傾向があります。
また、孤独や経済的な困難など大きな問題に直面すると、他人に支援や救済を求める一方で、苦しさのあまり警戒心が低下することがあります。
そして、詐欺師が作り出すストーリーやペルソナに魅了されやすい傾向があります。
(参考資料: 国際ロマンス詐欺に遭いやすい人)
以下に、詐欺師がターゲットをどうやって探すのか、具体的な戦術の一部を紹介しますので、十分ご注意ください。
詐欺師は、SNS利用者のプロフィールや投稿を分析して、孤独や寂しさを感じている人や経済的な困難を抱えている人を探します。
SNS利用者の投稿内容やコミュニケーションの傾向から、悩みを持つターゲットを絞り込むことができます。
詐欺師は、特定のオンラインコミュニティや掲示板を探索して、心理的サポートを求める投稿やコメントを見つける場合があります。こうした場所では、悩みを抱えている人々が自身の問題を共有することがあります。詐欺師はこのような問題を抱える人を見つけ、アプローチを開始します。
詐欺師は、出会い系サイトやをアプリ活用して、孤独や寂しさを感じている人々にアプローチすることがあります。こうしたプラットフォームでは、被害者が自身の個人情報や趣味、興味などを提供しているため、詐欺師はこの情報からニーズを見極めてペルソナを作り、ターゲットにアプローチします。
詐欺師は、被害者のオンラインでの活動を監視して、心理的サポートへのニーズを把握することがあります。これによって、ターゲットが抱える悩みの全貌を把握し、ターゲットの要求や願望に合わせたアプローチを取ります。
詐欺師は自身の架空のプロフィールを使って、ターゲットとの関係を構築することで、ターゲットの悩みを見極めることもあります。ターゲットから共通の興味や問題を引き出し、それに対する感情的な反応を観察することで、ターゲットの状況を把握します。
これらの戦術は、詐欺師が悩みを抱え弱みを持つターゲットを見つけるための手法の一部です。詐欺師は日夜様々なSNSに出入りし、ターゲットを探し回っています。
詐欺師にターゲットにされないように、個人情報の保護やオンラインでのプライバシーに気をつけることが重要です。
また、怪しい相手や状況に対しては警戒心を持ち、必要に応じ専門家のアドバイスを受けることが大切です。
参考資料:
ロマンス詐欺師は、自分を別の人に見せかける手法を使います。その偽りの人物像を「ペルソナ」と呼び、これを使って相手の感情を操り、信頼を築くための様々なテクニックを実行します。
ペルソナは、魅力的な人物の多くの特徴やエピソードで作り出す架空の人物です。詐欺師は相手の心をつかむために、このペルソナを精巧に組み立てます。
それでは、ロマンス詐欺師がよく使うペルソナの例を見てみましょう。
詐欺師は、魅力的な外見や性格を持った架空の恋人のペルソナを作り上げることがあります。
このペルソナは、被害者と共通の趣味や価値観を持っており、ロマンチックな関係を築こうとします。
成功したビジネスパーソンや実業家などのペルソナも、ロマンス詐欺師の手にかかることがあります。
このペルソナは、金銭的な安定や成功をアピールして、被害者の信頼を引き寄せるために使われます。
詐欺師は、社会的な善意を示すペルソナを装うことがあります。慈善活動への参加や支援、弱者への気遣いをアピールし、被害者の共感を引き起こすことを狙います。
軍人や警察官、公的な職業を装うペルソナも、ロマンス詐欺師の手段の一つです。勇気や責任感をアピールし、被害者の信頼を得ようとします。
医療関係の職業に従事するペルソナも、ロマンス詐欺師が使うことがあります。健康や安全への配慮をアピールし、被害者の信頼を勝ち取るために使われるのです。
これらのペルソナは、被害者に魅力的な特長や価値観を感じさせ、被害者の関心と信頼を得ようとするものです。
詐欺師は被害者の情報を活用して、そこから信頼性のあるペルソナを構築することもあります。
したがって、オンライン上で人間関係を築く際には、用心深く相手と関わることが重要です。
参考文献:
社会工学は、人々の心理にアプローチし、人々の考えや行動に変化をもたらす力や効果を研究します。この研究結果を用いて人々の行動を操る技術や手法を研究する学問です。
言い換えれば、人々がどのように考え、感じ、行動するかを理解し、それに基づいてコミュニケーションや行動を誘導する方法を追求する分野です。これをソーシャルエンジニアリングとも呼びます。
この記事では、現実世界で詐欺師が意識または無意識的に駆使する「人間の行動に影響を与える8つの手法」について社会工学的な観点よりご説明します。
これらの手法を知れば、詐欺師たちがどのような手法を使って人々を惑わし、操作するかを理解し、自己防衛のための知識を身につけることができます。
人間は自分の行動に一貫性を保ちたいという習性がある。例えば、一度契約した月刊誌を中々解約できないとか、長くいる会社を中々辞められないことなどがあります。
この習性は、詐欺の被害者が一度詐欺師を信じてしまうと、行動の一貫性を保つため、少し疑問に思うことが遭っても、詐欺師を信じ続け、お金を送金し続けるというものです。詐欺師はこの習性を悪用します。
「ギブアンドテイク」、つまり、他人が何かをしてくれたら、お返しをするという考え方です。詐欺師は対象者に何かをプレゼントしたり、情報を提供したりすることで、被害者がお返しをする必要を感じるように仕向けます。
役割や責任、感情に訴えかけることで、他人の行動に影響を与えることができます。
例えば、オレオレ詐欺などは代表的なもので、詐欺師が子供になりすまして、老父母に困っていると偽の助けを求めお金をだまし取る手口です。この方法は、父母の責任感や義務感に訴えかけることで、影響力を持つ方法です。
人間は、一度譲歩すると、それを取り消すことが難しくなります。
詐欺師は、被害者に対して最初の小さな譲歩を行い、その後さらなる要求や詐欺行為を行います。最初の譲歩によって被害者は安心し、詐欺師に対して信頼を持つ傾向があります。
詐欺師はその信頼を利用して、被害者が徐々に大きな譲歩を行うよう誘導します。
例えば、詐欺師は商品の価格を最初は高く提示し、その後割引や特典を提供することで譲歩を行います。被害者は最初の高い価格と比較して安く感じ、商品を購入するかもしれません。
しかし、実際には詐欺師は元々の本来の価値よりも高い価格で商品を売っている可能性があります。
また、詐欺師は被害者に対して一時的な譲歩を行い、その後に本来の要求や目的を実行する場合もあります。被害者は最初の譲歩に安心し、詐欺師の要求に応じる可能性が高くなります。
人間は、手に入りにくいものに興味を持ちます。
詐欺師は、商品やサービスを提供する際に「これはあまり手に入らないものですよ」と希少性を強調することで、被害者の関心や欲求を引き起こし、詐欺に巻き込もうとします。
例えば、「今だけ特別価格」といったキャンペーンを実施し、被害者に今すぐ買って!と行動を促します。
被害者は商品の希少性や時間的制約によって焦り、冷静な判断ができなくなる場合があります。
一般に権威を持つ人間は影響力があります。
詐欺師は、権威ある振る舞いや外見を使って、被害者の行動に影響を与え、信頼を勝ち取ろうとします。
例えば、詐欺師は医師や弁護士、専門家などの偽りの資格や職業を語ることがあります。
被害者に対して自分が権威ある人間だと信じさせ、その信頼を利用して商品の効果や投資の安全性を強調します。
しかし、実際には詐欺師は権威や専門知識を持っていません。
被害者はその権威ある振る舞いや外見に惑わされ、詐欺師に対して信頼を抱き騙されてしまう可能性があります。
人間は、自分を好きな人や自分と似ている人に好意を持ちます。
詐欺師は、被害者に対して自分が似たもの同士であるかのように振る舞い、被害者との類似点や共通点を強調します。
彼らは、被害者に自分との関係性や信頼感を築くために、共通の興味や経験を持つことを語ることがあります。
人間は判断をするとき、他人の評判を参考にすることがあります。
詐欺師は、他の人が「これはすごい!」や「みんなが使っている!」と言っているように見せかけることで、被害者の行動に影響を与えます。
例えば、偽の評価やレビューを書いたり、捏造したデータや架空のソーシャルメディアを使って、商品やサービスを信頼性があるとか人気があるように見せます。
被害者はこのような評判に騙されて、詐欺師に騙される可能性があります。
以上、詐欺師が使う「人間の行動に影響を与えるための手法」を8つご紹介しました。
このような社会工学の手法を知ることで、詐欺師のトリックに騙されることなく、冷静に物事を判断し、安全に行動するスキルを身につけることが可能です。
自分や周りの人々を守るために、これらの手法を理解し対処できる力を養っていきましょう。
参考文献
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