金融庁から公開された「暗号資産:FATF 基準の実施状況についての報告書」(2023年6月) 要旨(仮訳)についてご紹介します。
国際的な組織であるFATF(金融活動作業部会)は、仮想通貨(暗号資産)や仮想通貨取引所に対する規則を作っています。これらの規則は、マネーロンダリングやテロ資金供与などの犯罪を防ぐために必要です。
この報告書は、金融活動作業部会(FATF)がマネロン・テロ資金供与対策(AML/CFT)に関する国際基準を暗号資産及び暗号資産交換業者に拡大適用してから4年が経過した現在の状況についての要約です。以下は主な要点です。
マネロン・テロ資金供与対策(AML/CFT)は、資金洗浄(マネーロンダリング)とテロリズム資金供与を防ぐための規制と対策です。これらの活動の阻止と監視は金融機関や関連業界により実施され、国際基準に則って行われます。
この報告書は、暗号資産とその関連業界におけるAML/CFT規制の実施状況と新たなリスクに焦点を当て、公共セクターと民間セクターの双方に対する提言を提供しています。
参考資料:
あなたが国際ロマンス詐欺に巻き込まれ、日本の警察に被害届を出す場合、警察は犯人逮捕の糸口がない限り、被害届は受け付けてくれません。
ここでは、私の状況に関する具体的な事例をご紹介します。
詐欺の被害に遭い、初めて相談に行った時のことです。刑事さんからは、仮想通貨詐欺の捜査は非常に困難で、犯人逮捕の可能性は低いと説明されました。
そのため、私は被害届を提出せずに、単なる「相談」として被害情報を提供しました。刑事さんによれば、相談だけでも情報は捜査機関に共有されるとのことでした。
しかし、詐欺被害から数ヶ月が経過しても、犯人はX(旧Twitter)やLINEアカウントを使い続けています。
国際的な捜査機関の管轄の制約はあるのかもしれませんが、犯罪者が放置されたままであることは異常な状況だと考えています。
このままでは、新たな被害者が出る可能性もあると感じ、被害届を提出することにしました。
私は事前に刑事さんと面談の約束を取り、最寄の警察に向かい刑事さんに被害の状況について詳しく説明しました。
内容は私特有の被害についての話にはなりますが、まずは被害届を受理する前に、次の3点を警察側で検討し被害届を受理するかどうか判断したいとのことでした。
この3つのうちいずれかにより逮捕の可能性があるならば、被害届を受理するとのことでした。(被害届を受理するということは、警察は逮捕に動くから、逮捕の糸口があるかどうかを事前に警察側で判断したいとのこと)
刑事さんは多くの国際ロマンス詐欺を取り扱っておられましたが、私個別の内容であり話が込み入っているので、私は分かりやすく説明するため、ノートに図を書きながら説明しました。
刑事さんからは、面談終了後、被害届を受理可能かどうかを検討するため、私に次の具体的な資料の提出を求められました。
これらは近々用意し提出予定です。その他、私は次のような資料も印刷し提出しようと考えてます。これにより私の説明がさらに正確に伝わればと思っています。
この資料の提出により、最終的に警察に被害届を受理していただけるかどうかは分かりません。
もし受理いただけない場合でも、今後の捜査の何らかの役に立てばと思っています。
行動経済学は、人々の経済的な意思決定が合理的な判断だけでなく、感情や心理的な要因に影響を受けることを理解する学問です。
この観点から見ると、ロマンス詐欺に関するいくつかの要素が行動経済学の原則が影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、行動経済学とロマンス詐欺の関係についてご説明します。
行動経済学は、お金や選択について考える時に、人々がどんな風に行動するかを研究する学問です。
普通の経済学が「人々は合理的に考えて最も得する方法を選ぶ」と考えるのに対して、行動経済学は「人々は感情や習慣などに影響を受けて選ぶこともある」と考えます。
たとえば、お店で商品を買う時に、割引の言葉を聞くとつい買ってしまうことがあります。これは割引が良い取引だと感じるからです。
しかし、実は割引がなくても同じ商品をもっと安く手に入れる方法がある場合もあります。
また、将来のことを考えてお金を貯めることも大事ですが、ついつい今の楽しみを選んでしまうことがあります。
これは「先延ばし行動」と言われるもので、後で後悔することもあります。
行動経済学は、こうした人々のちょっとした行動の影響を調べて、どうすれば良い選択ができるかを考える学問です。
日常生活の中でよくみられる行動経済学とはどんなものでしょうか。具体例を見てみましょう。
選択肢のフレーミング(提示の仕方) 選択肢の提示のされ方で、人々の選択が変わることがあります。スーパーマーケットで商品を買う際、同じ価格の商品でも「健康的な商品です」と「とてもおいしい商品です」のように提示されることで、人々の選択が変わることがあります。例えば、「低脂肪」よりも「高タンパク」の表現が、健康的なイメージを持たせることができます。
購買意欲の刺激 オンラインショッピングサイトで「限定セール」といったキャンペーンが行われることで、人々の購買意欲が高まることがあります。限られた期間や数量であることが示されることで、人々は物事を逃すことを避けようとする傾向があります。
自己コミットメント ダイエットや勉強など、長期的な目標を達成するために自己コミットメント(自分との約束)をすることがあります。例えば、友人に公言することで、自分を励ます効果があります。また、定期的な支払いプラン(ジムの会費など)も、長期的なコミットメント(約束)を促進する要因です。
先延ばし行動(プロクラスティネーション): 重要な仕事や課題を後回しにしてしまう傾向があります。行動経済学では、即時の報酬(短期的な気分の良さ)と長期的な報酬(目標の達成感)のバランスが、この行動に影響を与えるとされています。
社会的影響: 他人の行動が自分の行動に影響を与えることがあります。SNSで他人が購買した商品や行動を共有することで、それに刺激を受けるケースがあります。また、環境保護のために再利用袋を使用する動きなども、社会的影響が反映されたものです。
これらの例は、行動経済学の原則が日常生活の様々な側面に現れたものです。
上記でご説明した行動経済学の原則とロマンス詐欺にはどのような関係があるのでしょうか?具体的な例を挙げてご説明します。
感情的な判断の影響 行動経済学では、人々が感情的な要因に影響を受けて合理的でない選択をすることがあると考えられています。ロマンス詐欺師は、被害者の感情を操り、信頼や愛情を築いて詐欺を行います。具体例として、オンラインで出会った相手が自分にとって「理想のパートナー」であると感じることで、詐欺師による信頼の構築が成功する場合があります。
社会的影響 行動経済学の社会的影響の原則は、他人の行動が人々の意思決定に影響を与えることを指します。ロマンス詐欺では、詐欺師が他の人々も数多く儲け話に参加している、とか、他の人が成功しているという事例を被害者に示すことで、被害者の信頼を獲得しやすくなる可能性があります。
先延ばし行動: 先延ばし行動の原則は、人々が今すぐの報酬を追求する傾向があることを指します。ロマンス詐欺師は、被害者に将来的な報酬や幸福を約束して詐欺を行います。被害者は、将来の幸福を手に入れるという期待から、詐欺師の言葉を信じてしまう可能性があります。
例えば、オンラインで知り合った相手が、「将来結婚し幸せな家庭を築こう」という言葉で、被害者を引き込む場合があります。被害者は、将来の幸福や安定を手に入れるという期待から、合理性に欠けた判断を下してしまう可能性があります。
行動経済学の原則とロマンス詐欺に関係があるというのは、行動経済学における感情的な判断や社会的影響、先延ばし行動の原則をロマンス詐欺犯が意識または無意識的に利用している可能性があると考えられるためです。
行動経済学は、経済的な判断が合理性だけでなく感情や心理に影響されることを考える学問です。
この観点から、ロマンス詐欺には行動経済学の原則が関与する可能性があります。
感情的判断や社会的影響、先延ばし行動の要素が詐欺師が被害者に影響を及ぼす手法に結びついています。
行動経済学を理解することで、ロマンス詐欺の手口に気付き、感情的な判断や社会的影響、先延ばし行動の罠に陥る可能性を減少させることができます。
自己コミットメント(約束)や選択肢のフレーミング(提示の仕方)といった行動経済学の原則から、詐欺師の行動を理解して、冷静な判断を行うことが大切です。
ロマンス詐欺から身を守るために、行動経済学の知識を身につけることはとても役に立ちます。
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