■ ビットコイン:P2P 電子マネーシステム(2. 取引)

ビットコイン:P2P 電子マネーシステム

中本 哲史
satoshin@gmx.com
www.bitcoin.org

2. 取引

一つの電子コインは、連続するデジタル署名のチェーンと定義される。電子コインの各所有者は、 直前の取引のハッシュと次の所有者のパブリック・キー(公開鍵)をデジタル署名でコインの最後に加えることにより、電子コインを次の所有者に転送する。受取人は一連の署名を検証することで、過去の所有権を検証できる。
→ 一つの電子コインは、連続したデジタル署名がつながったチェーン(下図)として考えます。各所有者は、前回の取引内容と次の所有者の公開鍵をデジタル署名でコインに追加することで、その電子コインを次の所有者に渡します。そして、受け取った人は一連の署名を確認することで、その電子コインの過去の取引が正当であることを確認できます。

電子署名とは
電子的な印で、文書やデータが特定の人や機関から発信されたことを証明する仕組みのことです。
公開鍵とは
暗号通信で使われる、他の人に公開しても安全な鍵のことです。
チェーンとは
物事が一つのつながりを持ち、順番に続いている状態や組み合わさっている連鎖のことです。
図1


無論、問題は受取人には過去の所有者がコインを二重使用していないことを検証できないことにある。
→ 言うまでもないことですが、問題は、受け取る人が以前の持ち主が同じコインを二回使っていないかどうかを確認できないことです。別の言い方をすれば、誰かがコインを使って何かを買ったり送ったりするとき、そのコインが以前にもう一度使われていないかどうかを確かめるのが難しいということです。

一般的な解決法は信用のおける中央機関もしくは造幣局を間に入れ、全取引を監視させることである。
→ 一般的な解決方法は、何かを買ったり送ったりする際に、信頼できる組織や政府の機関が仲介して、すべての取引を見守ることで、取引が正当かつ安全に行われるようになるという考え方です。これにより、問題やトラブルを未然に防ぐことができるとされています。

取引の度にコインは造幣局に戻され、新しいコインが発行され、造幣局から新しく発 行されたこのコインのみが二重使用されていないものとして信用される。
→ お金(コイン)の使い方に関する仕組みについて、お金は、お金を使うたびに、そのお金は造幣局に戻り、新しいお金が作られ、その新しいお金だけが二度使われていないとして信頼されます。
例えば、お金を使って何かを買ったりすると、そのお金は再び造幣局に戻り、そこで新しいお金が作られます。そして、この新しいお金だけが二度使われていないものと見なされ、信頼されるわけです。これによって、お金の二重使用を防ぎ、取引が正当で安全に行われるようになります。

この解決法の問題は、全取引が造幣局を通じて行われるため、銀行と同様に造幣局を運営している企業に、金融システム全ての運命が左右されることである。
→ この解決法の問題は、このすべての取引が造幣局を経由して行われるため、銀行と同じように造幣局を運営している企業に、金融システム全体の運命が左右される可能性があるということです。

必要なのは、コインの受取人に今までの所有者らが二重署名していないことを知らせる方法である。
→ 必要なことは、お金を受け取る人に、これまでのお金を持っていた人たちがそのお金を二回使っていないことを知らせる方法です。
お金が移動する際に、それを受け取る人に対して、そのお金が前に持っていた人たちによって二度使われていないかどうかを確認する手段が必要だということです。

この目的においては、最初の取引だけが論点であるの で、後の二重支払いの試みについては関係のないものとする。
→ この目的のためには、最初の取引だけが問題となるので、その目的を達成する上では最初の取引が重要で、それ以降の同じお金が二回使われる可能性については考えなくても問題ありません。

取引がなかったことを明確にするには全取引を監視する必要がある。
→ ある状況で何かが行われなかったことをはっきりと示すには、全ての取引を見守る必要があります。

造幣局モデルでは造幣局が全取引を監視し取引の順番を決定していた。
→ 造幣局モデルでは、お金の作り手である造幣局が、すべてのお金のやり取りを見守り、その結果に基づいて取引がどの順番で行われるかを決めていました。

これを第三者機関なしに行うには、取引が公開され、参加者たちが受け取った順番の唯一の取引履歴に合意することのできるシステムが必要となる。
→ お金のやり取りを信頼できる第三者機関なしで行うには、取引の詳細が参加者全員に公開され、関係者がお金がどの順番で移動したかについて合意できるシステムが必要になります。

受取人は取引毎に、取引が行われた時点で大多数のノード(コンピュータ)がそのコインが初めて使用されたことに賛同したという証明を必要とする。
→ お金をもらうときには、そのお金が初めて使われたことを多くの人が同意したことを証明する必要があります。これによって、お金の正当な使い方が確認され、問題が生じにくくなります。

参考文献:


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作成 2024-01-16    更新 2024-01-22


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