近年、インターネットの普及と国際交流の増加に伴い、国際ロマンス詐欺師による被害が増加しています。
この詐欺では、詐欺師が被害者に恋愛感情を抱かせ、その感情を利用して金銭をだまし取る手法が用いられます。
被害者はしばしば詐欺師に依存心を抱き、その結果、詐欺師に騙されてしまい、経済的、感情的な損失が生じます。
この記事では、国際ロマンス詐欺師が被害者の依存心をどうやって呼び起こすのかについて詳しく説明します。
依存心は、他の人や物事に対する過度の依存や執着を指します。
被害者はしばしば詐欺師に対して感情的な依存を抱き、彼らの言葉や行動に盲目的に信頼を寄せることがあります。
依存心は、詐欺師が被害者を操りやすくし、詐欺を成功させる要因となります。
国際ロマンス詐欺師は、巧妙な心理的手法を駆使して被害者の依存心を呼び起こします。以下は、主な手法です。
a. 甘い言葉と褒め言葉
詐欺師は被害者に甘い言葉を囁き、被害者を称賛します。このような言葉により、被害者は特別感を感じ、依存心が育まれます。
b. 特別感を感じさせる
詐欺師は自分を裕福で成功した人物や、被害者の救世主として振る舞います。被害者はこのようなイメージに魅了され、依存心が高まります。
c. 情熱的なコミュニケーション
詐欺師は被害者とのコミュニケーションを維持し、感情的なつながりを強調します。これにより、被害者は詐欺師に対する感情的な依存を深めます。
国際ロマンス詐欺師から依存心を守るためには、以下の対策が重要です。
a. 疑念を持つ
過度な称賛や急な感情的な投じられた言葉に対して疑念を持つことが大切です。感情に流されず、冷静に詐欺の可能性を考えましょう。
b. 個人情報を共有しない
詐欺師は個人情報を収集し、それを利用して依存心を深めることがあります。個人情報を慎重に扱いましょう。
c. サポートを求める
友人や家族に詐欺の疑いがある場合、相談しましょう。外部の意見は冷静な判断を支援してくれます。
国際ロマンス詐欺師は被害者の依存心を利用し、金銭をだまし取る手法を用います。
被害者は甘い話を持ってくる人間に疑いの心を持ち、個人情報の共有には注意し、不安に思ったら迷わずサポートを求めることが大切です。
当研究所もあなたの味方です。感情的な依存を避けるために、冷静な判断を大切にしてください。
関連資料
オーストラリア当局がロマンス詐欺容疑で3人を逮捕したことについて報じられた記事をご紹介します。
オーストラリアの警察は、ロマンス詐欺に関連した容疑で3人を逮捕しました。容疑者である2人の女性と1人の男性は、未亡人の50歳の女性を装った新聞デート広告を使用して3人から約50万ドル(約7,400万円)近くをだましとりました。
2023年9月7日、オーストラリアのゴールドコーストでロマンス詐欺に関連した事件が発生。ケアンズ刑事捜査支部(CIB)の刑事が3人の容疑者を告発しました。事件は2022年6月から2023年2月にかけて発生し、3人の男性が約50万ドル(約7,400万円)近くをだまし取られたとされています。
被害者は70代の2人の男性で、個人広告に応じて詐欺師に引っかかりました。詐欺師は支払いを要求し、50代の未亡人を装った女性と被害者たちを連絡させました。被害者たちは彼女が仕事契約を解消するために大金が必要だと信じ、支払いを行いました。最終的に、1人の男性は約42,000ドル(約627万円)を、もう1人の男性は343,500ドル(約5,100万円)を失いました。
事件に関与した容疑者は3人で、2人の女性と1人の男性です。容疑者たちはベノワ地域とマーメイドビーチで逮捕され、家宅捜索で大金が発見されました。さらに、別の男性が西オーストラリアから同じ詐欺に巻き込まれ、約111,000ドル(約1,600万円)を失ったことも明らかになりました。
ゴールドコーストでのロマンス詐欺事件に関連して、3人の容疑者が告発されました。被害者は高齢の男性で、約50万ドル(約7,400万円)近くを失ったとされています。この事件は詳細な捜査が行われ、容疑者たちは法廷で審理される予定です。詐欺被害者へのサポートと、詐欺行為の報告が呼びかけられています。
アメリカFBIのIC3は、インターネット犯罪に対するオンラインプラットフォームです。
IC3は被害者の情報を受け付け、調査・分析し、法執行機関に提供します。オンライン詐欺や個人情報盗難などの報告を処理し、被害者に支援を提供します。
国際ロマンス詐欺に対する被害申告方法も提供されており、詐欺師の逮捕や場合によっては被害金の返還についても可能性があります。
暗号通貨の捜査は難しいですが、被害者の申告は重要と考えています。私自身も被害の申告をしましたので、その手続きの流れをご紹介します。
アメリカFBIのIC3(Internet Crime Complaint Center)とは、インターネット犯罪苦情センターの略称で、アメリカ連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation、FBI)が運営するオンラインプラットフォームです。
IC3は、インターネット関連の犯罪に関する苦情と情報を受け付け、調査し、分析する役割を担っています。
IC3は、以下のようなインターネット犯罪に関する情報を収集・処理しています。
オンライン詐欺
詐欺、フィッシング詐欺、ランサムウェア攻撃、ビットコイン詐欺など、オンラインでの詐欺行為に関する報告を受け付けます。
インターネット犯罪
オンラインでの詐欺や不正アクティビティ、インターネット経由での個人情報の盗難に関する報告を処理します。
オンライン詐欺に関する情報
オンラインでの取引や取引プラットフォームにおける詐欺についての情報を提供し、被害者を支援します。
IC3は、アメリカ国内外からの苦情を受け付け、これらのデータを分析して、インターネット犯罪に関する傾向やパターンを特定し、法執行機関や関係機関に情報提供を行います。また、被害者に対しても支援を提供し、適切な措置を講じるのに役立つリソースを提供します。
IC3は、オンライン環境での犯罪に対処するために重要な役割を果たしており、広範なインターネットユーザーにサービスを提供しています。
国際ロマンス詐欺被害者がFBIのIC3に申告するメリットとしては以下の点が挙げられます。
法的手続きへの支援
IC3に申告することで、詐欺事件に関連する法的手続きや捜査が進展する可能性が高まります。被害者は詐欺師に対する法的措置を追求しやすくなります。
犯罪の防止
IC3による情報提供は、詐欺事件の傾向やパターンの特定に役立ち、将来の詐欺事件を防ぐのに寄与します。被害者の申告は犯罪予防に寄与する一環となります。
被害金の回収
詐欺師が特定され逮捕された場合、被害者が被害金を回収する可能性が高まります。IC3の協力により、詐欺師の資産が追跡され、被害金の返還が行われることがあります。
サポートとアドバイス
IC3は被害者に対して情報提供やサポートを提供し、犯罪に巻き込まれた際のストレスを軽減します。被害者は心理的な支えやアドバイスを受けることができます。
匿名性の保護
IC3に申告する際、個人情報を提供しない限り、匿名で申告することができます。被害者のプライバシーが保護されます。
犯罪の撲滅への貢献
被害者の申告は、国際ロマンス詐欺などの犯罪撲滅に貢献します。情報提供を通じて、犯罪者の逮捕や阻止に協力することができます。
コミュニティへの警鐘
被害者の申告は、同様の詐欺に巻き込まれる可能性のある他の人々に警鐘を鳴らすことがあります。他の人々が慎重に行動することで、犯罪の被害を減少させることができます。
被害者がIC3に申告することは、個人的な利益だけでなく、社会全体にとっても犯罪の防止と撲滅に貢献する重要な行動と言えます。
とくに被害者として注目されるのは、3.被害金の回収でしょう。
被害金の回収は、国際ロマンス詐欺被害者にとって非常に重要な点です。IC3の協力を得ることで、詐欺師に立ち向かい、被害金を取り戻すための道が開かれます。
ただし、回収が保証されるわけではなく、具体的なケースに依存します。被害者は詳細な情報提供と法執行機関との協力を通じて最善の結果を期待できます。
IC3へ国際ロマンス詐欺の被害について申告しましたので、その手順をご紹介します。IC3への申告は本人、また本人以外でも可能です。もちろん日本人の申告も可能です。
以上、IC3への被害申告方法をご説明しました。
これにより、将来的にはもしかすると詐欺師が逮捕され被害金の返還などもあるかもしれません。
ただ、そもそも暗号通貨(仮想通貨)の捜査は困難を極めるため、中々期待はできないと私自身も思いつつ、この被害申告によりできるだけのことはしたと考えています。
一日でも早く、世界の捜査機関の盲点をつく国際ロマンス詐欺がなくなる日が来ることを願っています。
参考資料:
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