逆心理学は、「Reverse psychology」とも呼ばれ、日本ではまだ馴染みのない心理学の一つです。(2023年12月27日時点で、Wikipediaにはまだ日本語の項目が存在しません)
逆心理学は、言ってしまいたいことと逆のことを言う方法です。例えば、友達に「絶対にこのゲームは難しいからやめといた方がいいよ」とアドバイスすれば、逆にその友達は興味津々になってプレイしたくなります。相手に望んでいる行動や考えを引き出したいとき、逆のことを言うことで、逆らいたくなる心理を利用するのが逆心理学です。
逆心理学は大人が子供や若者に対しても使われますが、子供たちは操作を察知することができます。心理学者のJohn Gottmanは、ティーンエイジャーに逆心理学を使用することを勧めず、「これらの戦略は混乱を招き、操縦的であり、不誠実であり、ほとんど効果はない」と述べています。
逆心理学は心理的反動理論(Reactance:心理的リアクタンス)と呼ばれる考え方に基づいています。心理的反動理論は、人が自分の好みや自由が奪われると、それを取り戻そうとする心理現象のことです。例えば、人気のある商品が「今だけ限定」と言われると、逆に欲しくなることがあります。
心理療法でも逆心理学が使われます。クライアントが「自分は何もできない」と思っているときに、「そうだね、君は本当に何もできないんだ」と言ってみることで、逆に自分で何かをできるという自覚を生まれさせます。ただし、相手が傷つかないように工夫することが必要です。
テレビやネットで見る広告や販促活動でも、逆心理学が使われています。商品が「手に入りにくい」とか「数量限定」って言われると、逆に欲しくなっちゃうことがあります。ただし、全部を信じるのはよくないので気をつけましょう。ある洋服ブランドが「今だけの秘密のセール」と言って、実はいつも通りの価格だったということもあります。
最後に、テレビや映画、音楽などの大衆文化でも逆心理学がよく見られます。あえて曲がラジオでかからないように仕向けて、逆にそれが話題になって成功することもあります。あるアーティストが「新曲は一度もラジオでかからないよ」と言って、逆に話題になってヒットすることなどがその例です。通常の予測や期待とは反対の手段や戦略をとることで、良い結果が生まれる場合があります。
逆心理学についての探究を通じて、言葉やメッセージの裏に隠された心理的な複雑さに触れることができました。逆心理学は、相手に望んでいる行動や考えを引き出す巧妙な手法であり、その特異性から興味深い現象と言えるでしょう。
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